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MacBook Air 雑感 [Mac]

1月半ばにサンフランシスコで開催されたMacWorld Expoでお披露目された「MacBook Air」。新型筐体&新コンセプトの野心的な新商品だ。かねてからノート型Macの買い換えを考えていたワシ的なAirに対する感想を書いてみよう。
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↑薄い!てか薄く見えるようにデザインされたAir

従来、コンシューマー向け「MacBook」とプロシューマー向け「MacBook Pro」の2ラインナップであったMacBookシリーズに、価格的には中間ではあるが単なるミドルクラスとして追加されたとは思えない新型ノートPC。それが「MacBook Air」。
かねてより日本のビジネスマンからの「モバイル用途に好適な薄くて軽いノート型Macが欲しい」という需要に答えるMacが出るとか出ないとか言われていた。Panasonicの「Let's note」シリーズのようなマシンが望まれていたわけだ。んで、内部情報リークがあったのか「新年のMacWorldで薄軽いノートが発表されるらしい」という噂が飛び交い俄然期待が高まった。
フタを開けてみれば確かに「薄い」「軽い」ノート型Macが出たわけだが、「ビジネス向けモバイルノート」とはちょっと違う感じのマシンである。いや、確かに持ち運ぶにはいい感じなんだが・・・

【MacBook Airの特徴】
1) 薄くて軽い:薄さを際だたせるように縁に向かって薄くなるデザイン(最薄部0.4cm、最厚部1.94cm)。13inch横長液晶搭載&強度を確保するためか、そんなに「超軽い!」って重量でもない(1.36kg)。
2) 1スピンドル:HDD(オプションでSSDも選択可)のみ。光学ドライブ無搭載。付属もしていない(オプションでUSB接続マルチドライブあり)。
3) iPhone、iPod touchで導入されたマルチタッチテクノロジー採用トラックパッド
4) 超少ないI/Oポート:USB2.0 x1、ヘッドフォン、Micro-DVIしかない。無線LAN&Bluetoothでなんとかしちゃいましょうってコンセプト。
5) 面積的には至って普通の13inchノートなのでフルサイズ・キーボード採用。しかもMacBookPro同様のバックライト機構付き。アルミ筐体に黒いキーボードで見た目はMacBookProとは異なる。
6) iSightは付いている。
7) スピーカーはモノラル
8) HDD接続バスはパラレルATA。CPUは2nd Cache4MBのCore 2 DuoなのでCPU仕様としては1世代前。
9) メモリーはオンボード2GB。追加不能。
10) MacBook同様グラフィック・チップなし。(チップセット内蔵グラフィック使用)

【Airの通信依存性】
1台完結型の他のMacBookシリーズと異なり、単独で使うには不足している部分がある。その1番大きなパーツは「光学ドライブ」だろう。ソフトのインストールもDVDの視聴もOSのクリーンインストールもバージョンアップも単独では行えない。
それを回避する手段は「USB接続の光学ドライブを別途購入」、「ネットワーク上の他のMacもしくはWindows PCの光学ドライブを共有設定にして使う」なのだ。

また、搭載されているHDDの容量は80GB(SSDなら64GB)は現状のノートPCとしては大変心許ないサイズ。BootCampでWindows領域を確保したら尚更だ。
最近のデジカメの高画素化とデジタルムービーの普及から考えて、MacBook AirのHDDにそういったデジタルデータをすべて格納するのは厳しい。自ずと外部に大容量の記憶装置が必要となる。
「USB接続の外付けHDDを追加購入」、「ネットワーク上の他のMacもしくはWindows PCのHDの一部を共有フォルダにして使う」という解決策が考えられる。

どうにもこうにも追加投資か他のマシンに寄生しないといけない仕様なんだが、そもそもこのマシンは「既にPCを持っていて無線LANネットワークが構築されている」人がメインターゲットに設計されたっぽい。
Apple製無線LANルーター「AirMacExtreme」の背面USBポートに外付けHDDを接続したり、AirMacExtremeにHDDを内蔵させた新製品「TimeCapsule」があれば外部ストレージ問題は解消する。ってかセット販売したいんだろうなw

しかし、外部ストレージにデータを置いて作業する仕様ってまさに「クライアントPC」じゃないかね。ネットワークHDもしくはデスクトップPCをサーバーとして動く軽量ノートPCってのがコンセプトなんでないかな。

【AppleのAir戦略?】
AppleはIEEE802.11n(ドラフト仕様)の高速通信をベースにした商品展開をしている。無線LANアクセスポイントであるAirMacExtremeを中心にパーソナル・コンピューターでメディアセンターでもあるMac、AppleTV、iPodシリーズなんかを無線通信させホームエンターテイメント環境を構築できるわけだ。
これは以前からSONYのVAIOシリーズなんかで目論んでいた物だがイマイチ普及しなかったものだ。AppleはiPodシリーズの成功をベースに行けるの踏んだのかもしれないし、iPodを買った顧客にMacを買ってもらうべくトータルソリューションとしてのMacベースのAV視聴環境を提案しているのかもしれない。

そういった構想の中でMacを中心に据えるのではなく、iPodやAppleTV同様にネットワークにぶら下がった端末(クライアント)として再定義したPCの形がMacBook Airなのかもしれない。
さほどパワフルでもなくデータ記憶容量もつつましいこのマシンだが、ネットワーク上の他の大容量ストレージを使うことによってPCの一般用途(メール、ブラウズ、チャット、フォトレタッチ、ちょっとした文書作成など)をそつなくこなすには充分だろう。
言い方は悪いが「大きな画面を持つPDA」みたいな感じだw

【Airは買いか?】
既にデスクトップPCも無線LAN環境も外付けHDも持つワシには悪くない端末にも思える。しかし、性能の割にお値段がちょっと高い気もする。もちろん、カッコいい軽いノートPCなんだからそのデザインへの対価とも言えるがね。

しかし、旅先で一眼レフデジカメのデータを読ませてフォトレタッチなんてことを考えると「グラフィック・チップ無し」「容量が微妙なHDD」の2点がとても気になる。後者はポータブルHDDとかで解決できるが前者はいかんともしがたい。ポータブルHDDも常に持ち歩くとなると、せっかく薄軽いAirのメリットが無くなるしね。それなりの作業環境を持ち歩きたいとなると、やはりMacBookProになってしまうんだろうな〜。

MacBook=低価格オールインワン・ノート、MacBookPro=デスクトップ・リプレイスメント・ノート、MacBook Air=ネットワーク端末、と定義付ければ買いかどうか考えやすいだろう。
んでワシ的にはちょっと二の足を踏む感じ。MacBookProだって決してクソ重いPCではないし、カッコいいもんね。

【公衆Airでみんなハッピー】
ちなみに日本ではイマイチ普及してない公衆無線LANを利用できれば、「.Mac」などのインターネット上のストレージを使うという手もある。そしたらAirのHDD容量でもそこそこ行けるんじゃないかな。メールなんかも受信せずに「.Mac Mail」とか「Gメール」とかを使えばHD容量を圧迫しない。もちろん公衆無線LANが普及していない以上、携帯電話、WILCOMのPHS、Eモバイル端末でダイアルアップということになるんだろう。公衆無線LAN普及しないかな〜。そしたらW-ZERO3がもっと使いやすくなるのに。iPod touchユーザーも幸せになれるね。
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