SSブログ

Keys to Ascension / Yes [プログレ]

「ロンリー・ハート(90125)」の大成功の立役者とも言うべき新世代Yesの顔であったトレヴァー・ラビンは、何かと70年代フォーマットに戻ろうとする傾向のあるYesにあきれたのか、はたまた奇人ジョンとの付き合いに疲れたのか、アルバム「Talk」が完成しYesでやりたい事はすべてやったという事で「Talk」ツアー終了後Yesを脱退してしまう。

ジョン、クリス、アランはハウ、ウェイクマンに声をかけ、またも「Tales From 〜」、「Going for the One」などの”準”黄金期ラインナップで活動を再開した。旧曲をライヴ・レコーディングし、スタジオで新曲を録音し、新曲と旧曲が混在するアルバム「Keys to Ascension」(1996年)、「Keys to Ascension 2」(1997年)をリリースした。CD2枚組が2セットで合計CD4枚という大ボリュームである。

ライヴ版におまけで新曲を付けたのか、はたまた実は新作なのか分からないアルバムである。ライヴと新曲を別のアルバムとして発売した方が良かったように思う。

そのライブ部分のみの「Keys to Ascension」というLD2枚組が発売されている。1996年3月3〜5日、カリフォルニア州サン・ルイス・オビスポ、Fremont Theatreでの演奏からセレクトして収録。

【LD版】

「キーズ・トゥ・アセンション ~イエス完全復活ライヴ1996~」
VALC-1021~2(2枚組3面)
NTSC 150分
発売:ビデオアーツ・ミュージック
¥9,800(税込み)
1996年発売
IMG_2492.jpg

disc 1

1. Siberian Khatru
2. Close To The Edge
3. I've Seen All Good People
4. Time And A Word
5. And You And I
6. The Revealing Science Of God

disc 2

1. Going For The One
2. Turn Of The Century
3. America
4. Onward
5. Awaken
6. Roundabout
7. Starship Trooper

内容的には新「Yessongs」という感じでベテランメンバーによる昔ながらの音色&バランスで破綻なくかつてのYesワールドを再現している。映像は「引き」と「寄り」をオーバーレイしたり、イメージ・フィルムをオーバーレイしたりと編集はイマイチに感じる。イメージ・フィルムの挿入は単調になりそうな映像にアクセントを入れるためかもしれないが、あまり成功しているとは思えない。画質も若干ザラつきを感じる画質だ。

LD2枚組で往年のメンバーで演奏される往年のYesナンバーをたっぷり見れるのだから嬉しくても良さそうだがそうでも無かった。たぶん1990年の素晴らしいABWHのNHKホールでの公演が記憶に残っているせいだろう。このLDとはリズム隊が異なる。エレドラのブラフォードとぶっとい音色が意外にも浮かなかったトニー・レヴィンによるリズム隊であったが、これが何気に素晴らしかった。会場とミキサーの腕も良かったのだろう。最高のYesミュージックのライヴであった。

この「Keys to Ascension」は無難にそつなく演奏されたYesミュージックの夜という感じ。黄金期の勢いは無いが円熟した落ち着きのある演奏が鑑賞できる。悪くは無いが刺激も無い、と言ったら酷かな。

【DVD版】

このLDはDVD2枚に分割され「キーズ・トゥ・アセンション VOL.1~イエス完全復活ライヴ1996~」「キーズ・トゥ・アセンション VOL.2~イエス完全復活ライヴ1996~」として分売された。この分売DVDはCDサイズのケースであった。現在、廃盤。

また、輸入盤であれば現在も「Keys to Ascension」のDVDが入手可能である。日本でも再生可能なリージョン設定かどうかの確認の要はある。
keys_dvd1.jpg
↑輸入盤DVDのジャケ

Amazon見てたら上記と同じジャケ(DVDトールケース・サイズ)の日本版DVDが2004年にトイズファクトリーからリリースされていたのを知った。価格的には輸入盤がクソ安いから輸入盤がリージョンフリーであればなと思う。

【アルバム版】

CD「Keys to Ascension」
keys1s.jpg
ほとんどライヴ。新曲2曲収録。

disc1

1. Siberian Khatru [Live]
2. Revealing Science Of God [Live]
3. America [Live]
4. Onward [Live]
5. Awaken [Live]

disc2

1. Roundabout [Live]
2. Starship Trooper [Live]
3. Be The One
4. That, That Is

CD「Keys to Ascension 2」
keys2s.jpg
今度は1枚目がライヴで2枚目が新曲。

disc1

1. I've Seen All Good People [Live]
2. Going For The One [Live]
3. Time And A Word [Live]
4. Close To The Edge [Live]
5. Turn Of The Century [Live]
6. And You And I [Live]

disc2

1. Mind Drive
2. Foot Prints
3. Bring Me To The Power
4. Children Of Light
5. Sign Language

【「90125」から「Keys to Ascension」期の混沌】

Cinemaだったはずの90125Yesの商業的成功の後のYesの迷走はどこまでも続いて行く。「Big Generator」リリース後、70年代Yesの姿に回帰したかったジョンはABWHを作りYesを分裂させ(アルバム「閃光」)、90125YesとABWHを合体させ8人編成Yes(アルバム「Union」)となり、BWHが抜けてまた90125Yesとなり(アルバム「Talk」)、ラビンが抜けトニーには声をかけずWHを呼び戻し準黄金期メンバーで「Keys to Ascension」をリリースするもやはり長くはもたず、ウェイクマンはこのアルバム「Keys to Ascension」リリース後、再脱退している。やれやれ・・・


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

9012 Live / YesCv / Peter Gabriel ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。