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Grecoレスポールのパーツ交換【第2弾】 [楽器]

「Grecoのレスポール・カスタム・モデルにゴールド・カバーを装着したSeymour Duncanのハムバッカーを取り付けよう!」の巻。ピックアップだけでなくヴォリューム、トーン回路なども更新する。

目的は
1)オリジナルの回路ではフロント・ピックアップの音がズモズモし過ぎる。回路の変更により改善したい。
2)ペグをGOTOHの新品に変更したのに合わせ、見た目をリフレッシュしたい。
ってとこかな。

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↑オリジナル・サーキット。ポットの大きさはCTS製と同じだがシャフトはmm規格。
ポット類の抵抗値は「Front VOL : 360kΩ、TONE : 370kΩ」「Rear VOL : 330kΩ、TONE : 370kΩ」。セラミック・コンデンサーは「223Z 028」という印刷があるからたぶん0.022uFの物だな。

しかしまぁ、なんでポットの抵抗値がまちまちなんだろう。有り物を適当に使ったのか、それとも当時のGrecoのスタッフがこれが最適と考えたのか。本家Gibsonのレスポールの60年代の再生産期の一時はポット類に300kΩ品を採用していた時期がありそれにならったと考えられるが、ポットの抵抗値は微妙に異なる。

一般的なレスポールのポットの抵抗値は500kΩでコンデンサー容量は0.022uF。一般的なサーキットを組めばフロントのズモズモ音を回避できるかもしれない。リアの音もハイ寄りになり、カラッとした音色傾向になりそうな予感。

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↑今回はCTS製ではなくシャフトがmm規格のFernandesの500kΩのポットを購入した。元々のポット用の穴がボティトップにmm規格で開けられているのだが、これをinch用に拡張しようとしてボディ材(メイプルトップ)に割れでも発生したらイヤなので、今回は超無難(穴拡張なし)な方向でパーツを選択したわけだ。コンデンサーはまたしてもOrange Dropの0.022uFの耐圧600V品。

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↑ある程度レスポールのサーキットを組むために、手頃な段ボールにサーキットのシャフト位置をメモってそこに穴を開けた。

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↑で、そこにポットのシャフトを挿してパーツ類のハンダ付け。レスポールのサーキット・キャビティー内で全部ハンダ付けするよりかなり楽になるのだ。本家Gibsonの最近のレスポールなんてサーキットを基板化して工程を簡略化してるもんね。

FernandesのポットにはCTS製と同様にズレ防止用の突起があるが、キャビティーにその突起用の穴が開けてあるわけではないのでニッパーで切除した。市販の内歯型の歯付座金を介してレスポのキャビティーに取り付けた。

Duncanストラトで使った導電塗料だが、レスポには使わなかった。ビンテージ・レスポールのキャビティーの写真を見たら導電塗料は塗られておらず、木肌そのままだったからだ。例によって、気が向いたらその内に、って事でw

取り付けたサーキットにトグルSWからの配線やブリッジ・アース線をハンダ付けした。レスポのキャビティーって狭くて深いからハンダコテが入れられる角度が限定されてしまう。やはりあらかじめサーキットのハンダ付けをある程度しておくのは大切だ。

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↑続いてゴールド・カバーの付いたハムバッカーの取り付けだ。ピックアップ・キャビティーはご覧の通り。フロント・ピックアップ・キャビティーを見て分かるが、なんとネックはディープ・ジョイントだ。本家Gibsonでは50年代のオリジナル・モデルでは使っていたのに70年代以降はやめてしまい、今や一部の機種(ヒスコレ)でしか採用されていないセットネックの接合方式だ。安くても造りはしっかりという日本製の長所ですな。

んで、まずはフロント・ピックアップをエスカッションにネジ止めしてからリードをサーキット用キャビティーに送りつつカポっとはめる。んでズルズルとリードを充分に引き出したらエスカッションをネジ止め。そして、リードをサーキットにハンダ付け。

次にリア・ピックアップ。手順はフロント・ピックアップとほぼ同じだが、
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↑リード線の長さはギターの上に載っけて「こんなもんかな?」って長さでカットしたが、取り付けの際にリード線の長さがけっこうギリギリでハンダ付けで少々手間取った。気持ちもう少し長い方が良かったみたい。

これで配線は完了。弦を張る前にアンプにシールドを繋いでドライバーでピックアップのポールピースをコツコツ叩く。アンプから音が出る。フロント、リアともOK。

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ちゅうわけで新サーキット完成。Orange Dropの見た目の主張が激しい。

これで弦を張って完成、の前に、ブリッジとテールピースも新調。
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↑ペグ同様、GOTOH製のブリッジ「GE103B」とテールピース「GE101A」だ。色はもちグロッシー・ゴールド。ポットなどと同様に、こういった金属パーツ類も規格が複数あるのでGreco純正品のサイズを計って数字の合う品を選んだ。

レスポール、ES-335、SGなどのブリッジは「チューン・O・マチック(略してT.O.M.)」と呼ばれるタイプである事が多い。元々ついていたブリッジはT.O.M.でも「ABR-1」と呼ばれるタイプで駒を針金のバネで押さえる初期のABR-1のコピー品であった。T.O.M.は70年代から「ナッシュビル・タイプ」と呼ばれるオクターブ調整の可動幅が大きい物に変更された。今回、購入した「GE103B」はそのナッシュビル・タイプでABR-1型より大きいのでブリッジ質量が増える。材質はZn合金。ブリッジ自体はGrecoのスタッドに載ったが、スタッドおよびブリッジの高さ調節をする円盤状パーツのネジのピッチが合ってない。よってスタッドと円盤はGreco製のままにした。

弦のボールエンドを保持するテールピースはアルミ製の「GE101A」にしてみた。50年代レスポールのテールピースはアルミ製だったってことなんで真似してみたのだ。Greco純正品はダイカストで重かったが、アルミ製は軽い軽い。こちらはGrecoの埋め込みスタッドにGOTOHのパーツが問題なくネジ込めた。

さらば錆び錆びメッキ浮きまくりブリッジ&テールピース達よ。(一応、取っておくけどね)

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↑出来上がったGrecoレスカス(レスポール・カスタム)。新品の金色パーツが眩しいぜぇ。こう見てみるとカスタムの黒い樹脂パーツ類とゴールド・カラーの金属パーツの組み合わせって良いね。(もちろんJohn Sykesモデルの色の組み合わせもカッコいいけどね)

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↑ボディ・トップのアップ。こうして見てみるとナッシュビル・タイプのブリッジってちょっと幅広で目立つね。やっぱABR-1の方がレスポールらしい感じがする。いや〜、しかしピックアップも金ピカですよ。これから使い込むにつれ退色していい感じになっていくでしょう。

で、肝心の音出しの感想。フロントのズモズモが解消された!よかったよかった。やっぱフロント・ハムバッカーには500kΩポットですな。最初はエスカッションとツライチに設定して音出ししたんだけどフロントの音量がデカい。なもんで少し下げた。フロントSH-12はリアのSH-4より低出力とは言え、やはりブリッジ用ハム。リアSH-4ならフロントはSH-1nかSH-2nがやっぱバランス良さそうだね。音色はDuncanストラトのリアで使っていた時とは別人。かなりウォームな音色になったけど、元がハイ寄り音色のピックアップなので輪郭はしっかりしてる感じ。リアのSH-4と比べるとハイエンドの出方にしっかり差があって、リアに切り替えるとリアらしいカッチリした音になる。当たり前っちゃあ当たり前の話なんだけど、今までフロントが使い物にならない音だったので感動。

で、リアのSH-4。やはり500kΩのポットに変更したのが効いて、以前よりカラっとした音になった。往年のハードロックな音が簡単に出る。ボディ構造のおかげかサスティンは充分にあるが音色そのものは軽快感が増した感じかな。これが本来のレスポール・タイプのリア・ハムの音なんだろう。しばらくはこのままで使おうと思う。

しかし、その一方でポット交換前のリアSH-4の音にも捨てがたい魅力を感じる。物凄く図太いメタル向きの音色だったのだ。この音を永らくSH-4(JB)の音だと思って使っていたので、ワシの認識違いが今さら露呈したのだが、逆にポットを変えるとピックアップのキャラクターが変貌することも体験できた。これは今後、ギターのキャラクター付けの一手法として使えると思う。

Greco純正のリアのVOLポットは330kΩだった。これはハンダを除去して取って置いてある。シャフトがinch規格だがGreco製300kΩのポットが市販されている。ストラトなんかに使われるポットは250kΩで容易に入手できる。交換したくなったら数種類のポットからチョイスできる。

ESPのSeymour DuncanのピックアップのページでSH-4(JB)の説明文に「250kΩのポットを使うことでスムースなハイエンドを得る事もできます。」とある。メーカー公認、てゆうか普通に知られてる事なんだが、体感するとけっこう驚けると思う。どんなキャラクターになるかは組み合わせるポット次第。もう1台レスポールがあったら2本でリアのキャラクターを変えてみたいな。

レスポールをもう1本ちゅうたら、やっぱバースト系のスタンダードが欲しいね〜。ティーバーストがいいかな。ワシのGrecoレスカスはブラウン系サンバーストだけどレスカスはやっぱBlack Beautyのエボニー・ブラックがいいよね〜・・・・なんて、まるでコレクター的妄想が沸いてくる。わしゃメイン・ベースなんだしギター道楽もほどほどに。

今回の改造もおおむね満足。ってことでめでたしめでたし。背面の塗装ダメージはそのままですがね。
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コメント 4

村

記事を拝見しました。
自分もオープンのJBをカバードにしようと考えている者です。
見た感じ、こちらのJBはポッティングをしてないようですが、カバーを取り付けて、ハウリングなどは起こっていないでしょうか?
気になるところですので、こちらのコメント欄で返事をしてもらえると幸いです。
by (2012-06-24 15:29) 

medama

書き込みありがとうございます。
ポッティングとは「蝋漬け」のことでしょうか?もしそうであればダンカンJBはもともと蝋漬けされていたと記憶しています。ポールピースを交換する際にロウのかすらしき物がたくさん出てきました。
もちろん後付けカバーとコイルの間にはロウは充填されていません。ハウリングに関しては家で弾くだけなので確かな情報は持っておりません。カバード化前も後もスタジオ等で大音量で音出しした事がないものですからハウリング耐性の変化については分かりません。
有益な情報が無くて申し訳ありません。
by medama (2012-06-25 22:03) 

Terra

段ボール箱での仮組み込み、なるほどグッドアイデアですね。滅多にやることでは無いことだけに手持ちのものでリサイクルできるのは素晴らしいです。
by Terra (2013-03-06 13:41) 

medama

書き込みありがとうございます。やってみて段ボール仮組みはとても楽だと思いました。ストラトはピックガードのみで配線できますが、レスポとかはそうはいきませんから。キャビティー型のギター、ベース全般に使える手かもしれません。
by medama (2013-04-02 22:33) 

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