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Fuel for Life / Judas Priest [HR / HM]

Peter Gabrielに続きLDでリリースされたPV集の紹介。今日はメタル・ゴッズ:Judas PriestのPV集だ。

「フューエル・フォー・ライフ」
78・4P-103(1枚)
NTSC 39分
発売:エピック・ソニー
¥7,800(税込み)
1986年発売
IMG_2480.jpg

1. Living After Midnight
2. Breaking The Law
3. Don't Go
4. Heading Out To The Highway
5. Hot Rockin'
6. You've Got Another Thing Comin'
7. Freewheel Burning
8. Love Bites
9. Locked In
10. Turbo Lover

80年代はMTVが音楽業界をリードしていた。PVに予算が与えられ、派手なPVが話題になると曲がヒットしレコードが売れてレコード会社はウハウハというビジネス・モデルの時代であった。

古くから地道にライヴハウス巡りをして熱心なファンを獲得するのが基本スタイルだったヘヴィーメタル業界にもその影響は現れた。LAメタルと呼ばれたアメリカ西海岸のメタル・バンドは派手なステージ衣装と化粧をし、ティーンエイジャーのリスナー層を獲得すべくキャッチーな曲と華やかなPVを制作した。ブリティッシュ・メタルの権家Judasもアメリカ・マーケット制覇のためにギターシンセを導入したアルバム「Turbo」を発表し、アール・デコ調の衣装をまとい、シングル「Turbo Lover」、「Locked In」のPVが制作された。

このLDはアルバム「Turbo」のツアー「Fuel for Life Tour」で来日する際の「来日記念盤」として発売された。収録されているPVはアルバム「Turbo」のシングル「Turbo Lover」、「Locked In」までである。曲順はほぼPVの制作順に収録されている。「Turbo」からの2曲はPVが連作になっており「Turbo Lover」の続きが「Locked In」となっている。しかし、LDでは逆の順番に収録されている。あらためて見てみたが「Locked In」のラストシーンが「Turbo Lover」に繋がってもおかしくないように作られている。無限ループですか。学習能力の無いRob・・・

JudasのPVは「笑える」事で有名だ。特に低予算制作のチープさが画面に出まくっている「British Steel」と「Point of Entry」アルバムのPVが安っぽさ炸裂で良い味出過ぎ。

「Breaking The Law」ではJudas一行はギターを武器に銀行強盗をし、板ギターでキッズや看守が踊り狂う。
「Don't Go」ではメンバーは扉を開けて順番に不条理な体験をする。そこで「行くな〜(Don't Go)」というサビになるわけだ。ああ、くだらない。
「Heading Out To The Highway」では思いっ切り書き割りの道の上で演奏する。
「Hot Rockin'」ではメンバー全員が筋トレしたりサウナに入ったりと「Hot」な行動をしまくり、演奏シーンではアンプが火を噴き楽器や衣服に火が付いて「Hot」を通り越して炎上状態になる。

「You've Got Another Thing Comin'」ではRobのハイトーン・シャウトで英国紳士の頭が吹っ飛びズボンが落ちる。
「Freewheel Burning」ではゲーセンのレース・ゲームの画面にRobが表れレーザー光線を発しゲーセンはなぜかヘッドバンギング大会になる。子供はレーザー光線を避けながらゲームを続行するが、最終的にはグッタリしてしまう。「PTAの連中が子供への悪影響を唱えるテレビゲームと同じくらい俺達の音楽はキッズを捕らえて離さず反社会的な悪影響を与えるぜぇ〜」というテーマなんだろうか(笑)。

PV制作予算が大幅に増えた「Turbo」アルバムのPVもお笑い路線は継承している。

「Locked In」では骸骨頭の変なロボットのようなクリーチャー率いるアマゾネス軍団に捕らえられたRobを他のメンバーが救出に行く筋立てになっている。「レイダース」「マッド・マックス」などの当時人気だったアクション映画に影響されたようなセットだ。
「Turbo Lover」では脱出に成功したJudas一行がバイクで荒野を駆け、それを骸骨頭が追い掛ける。屋外撮影された映像の色調を変化させ無理矢理、近未来風の映像にしている。このPVの最後でRobはメンバーとはぐれて骸骨頭に追い詰められて「Locked In」に続く、となる(無限ループ)。骸骨頭クリーチャーのストップモーション撮影は苦労したのだろうけど、そのコミカルすぎる動きのせいで仕上がりは安っぽくなっている。Peter Gabrielのビデオとは正反対だ。まぁ、JudasのPVを「お笑い」路線にするためには寄与しているとは思うがね(笑)。

なんでこんなビデオだらけなんだろう。このプランでコンテ切った制作サイドの意図が「?」なら、このプランを了承したバンドとマネージメントにも「?」な気分だ。「レコードとライヴですべてが表現されている。PVはビジネス上必要なだけで出来はどうでもいい。」という事か。それとも「グラインダーが肉を探してる」とか「レーザー弾より速く核爆弾よりうるさい鎮痛剤」とか歌っているバンドの姿勢に合致していると考えたのだろうか?(笑)

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このLDおよびVHSは廃盤になったが、後に発売されたJudasのビデオ・アーカイブ的DVD「Electric Eye」に全曲収録され復活した。

DVD「エレクトリック・アイ」
MHBP 15(1枚組・片面2層)
NTSC 2時間48分
発売:Sony Music Direct
¥4,935(税込み)
2003年発売
electric_eye.jpg

上記「Fuel for Life」収録のPV10曲に加えて「Johnny B Good」「Painkiller」「A Touch of Evil」のPVが加わっている。これがお笑い路線じゃないカッコいいPVだったりする。

「Priest...Live!」というタイトルで1987年にリリースされたライヴ・ビデオ(VHSとLDでリリースされたと思う)も、このDVDに再収録されている。
priest_kive_ld.jpg

1. Out In The Cold
2. Locked In
3. Heading Out To The Highway
4. Breaking The Law
5. Love Bites
6. Some Heads Are Gonna Roll
7. The Sentinel
8. Private Property
9. Desert Plains
10. Rock You All Around The World
11. Hellion / Electric Eye
12. Turbo Lover
13. Freewheel Burning
14. The Green Manalishi (With The Two-Pronged Crown)
15. Parental Guidance
16. Living After Midnight
17. You've Got Another Thing Comin'
18. Hell Bent For Leather
19. Metal Gods (over closing credits)

このライヴ・ビデオにはアルバム「Turbo」のツアーである「Fuel For Life Tour」のダラス公演の模様が収録されている。アール・デコ調のステージ衣装とステージ・セット「ティナ・ターボ」が特徴のツアーである。他のツアーの男臭いスタッド&レザーな衣装に比べれば華やかな雰囲気であるが、ライヴ内容は相変わらずのメタル・ゴッズな感じで良い。Robも高域が冴えわたっており充分見応えがあるライヴだと思う。

更にBBCの番組でのパフォーマンスも収録されている。

1. Rocka Rolla
2. Dreamer Deceiver / Deceiver
3. Take On The World
4. Evening Star
5. Living After Midnight
6. United

1. 2. が75年の「Old Grey Whistle Test」の映像で、まだアート・ロックだった頃。3. 4. は79年の「Top Of The Pops」の映像で、「Killing Machine」リリース後、すなわち「スタッド&レザー」ファッションが確立された頃。5. 6. は80年の「Top Of The Pops」の映像で、「British Steel」リリース後、すなわち「メタル・ゴッズ」としての地位が確立された頃の物だ。

寄せ集めっぽいけど、なかなか中身の濃いDVDですな。

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お笑いPVでバンドを判断しちゃいけない。ライヴこそがメタル・ゴッズの真価!というわけでJudas PriestのライヴDVDをついでにご紹介。

「ライヴ ’82 ~復讐の叫び~」(原題:Live Vengence '82)
jp_live_82_dvd.jpg
1982年のアルバム「Screaming for Vengence」ツアーの映像。元々はVHS&LDで1983年にリリースされ、2004年のBOX-SET「Metalogy」のオマケDVDとして収録され、2006年に単発DVDとして再リリースされた物。

「ジューダス・プリースト・ライヴ・イン・ロンドン」(原題:Live in London)
jp_live_london.jpg
同タイトルのCDもリリースされている。ヴォーカルがTim 'Ripper' Owensの時期のアルバム「Demolition」ツアーの映像。ヴォーカルがRobでないので不人気作かもしれんね。2002年作品。

「ライヴ・アット・武道館」(原題:Rising in the East)
jp_live_jp_dvd.jpg
Rob復帰後のアルバム「Angel Of Retribution」ツアーの武道館公演の映像。懐かしのライヴ・アルバム「Priest in the East」と「Angel Of Retribution」のオープニング・ナンバー「Judas Rising」をミックスした原題になっている。ワシゃこのライヴを武道館で見た。さすがにRobがお爺ちゃんになった感はあり昔ほどの高音は出ていないが、Robが歌っている「Painkiller」が見れる唯一の公式ライヴ・ビデオだ。NHK-BS2「黄金の洋楽ライブ」で放送されたJudasのライヴはこのDVDの編集版(放送時間に合わせて曲数を減らしてる)だ。2005年作品。

「Defenders of the Faith」ツアーと「Painkiller」ツアーのライヴ・ビデオも出ないもんかねぇ。


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